マクロスシリーズ

【マクロスデルタ】2冊に凝縮されたそれぞれの想い【小説版マクロスΔ】

みなさん、こんにちは。

今回は、小説版マクロスΔをご紹介します。

2016年から2017年にかけて講談社ラノベ文庫から発刊された小太刀右京さんの小説で、全2巻?となっています。

TV版の第1話「戦場のプロローグ」から第13話「激情 ダイビング」までを小説化しています。

以下、ネタバレを含みますので注意してください。

より細やかな設定

第1巻の巻末インタビューでフレイア・ヴィオン役の鈴木みのりさんが感想で「小説版で振り返ることによって、『あ、あの時ハヤテはこういう心境だったんだ。ミラージュさんはこんな気持ちだったんだ』と改めて感じることができてよかった」と答えているように、小説版はTV版ではワンカットで進んでしまうところでキャラクターの思いや感じたことを詳細に描くことができます。

各キャラクターの設定もより細かく設定され、ウィンダミア人であるフレイアは、さほど鍛え込んでいるわけではないが身体能力は地球のトップアスリートに比肩しうるとされています。

ハヤテ・インメルマンもゼントラーディの血が入っていることや、可変戦闘機のバトロイド、ガウォーク、ファイターの三形態において自分の肉体の一部であるかのように機体を捉えられる操縦感覚や、ワルキューレのコンサート中のアクロバットでも「インメルマン・ダンス」を勝手に(笑)行いながらもデルタ小隊の動きと一々はめることができる類いまれな想像力と空間認識能力を持った天賦の才があることが描かれます。

最後にハヤテが「白騎士」キース・エアロ・ウィンダミアに勝てたのも、ハヤテのたゆまぬ努力もあるが、ハヤテのインメルマン・ダンスが戦技ではなく、ワルキューレのステージを輝かせるためのパフォーマンスであったことから、キースの理解を超え、デルタ小隊のエースであったメッサー・イーレフェルトにもできない技術あってこそであったことがわかります。

圧巻の第2巻

第1巻は、割とTV版に沿った展開を見せますが、すごいのはウィンダミアが宣戦布告した第2巻の内容です。

デルタ小隊と空中騎士団との空中戦での各キャラクターの描写が非常に細かく、ボリュームが増しています。

メッサーとキースの決戦は、小説版では惑星ヴォルドールとなりますが、1章丸ごと55ページに渡って描かれます。

メッサーとキースがいかにギリギリのタイミングで動いていたか、リスクとリターンを瞬時に判断し行動していたかが細やかに描かれます。

そして、その戦いがいかに美しく荘厳な戦いであったかが語れます。

それをみるミラージュ・ファリーナ・ジーナスやボーグ・コンファールトの思いも語られます。

また、メッサーがアルブヘイムでヴァールになった状況や、カナメ・バッカニアの歌に救われた状況も詳しく描かれているため、決戦に挑むメッサーの気持ちも痛いほどわかります。

小太刀小説の面白さ

小太刀右京さんの小説の面白さは、他のマクロスシリーズの登場人物が出てくることです。

よく出てくるのはプレイステーション用ゲームソフト「VF-X2」のキャラクターですが、そういうキャラクターが出てくると、思わずニヤッとしてしまいます。

今回の小説版マクロスΔにも「マクロス・ザ・ライド」からヒロイン「チェルシー・スカーレット」が登場します。地球統合政府の上院議員として(笑)

さらに重要人物として「マクロス30」から「アイシャ・ブランシェット」が登場します。

彼女はなんと技術部顧問としてケイオスに転属、アイテールに乗り込みデータ解析までしています。

太腿も露わなショートパンツに胸元の開いたシャツという、いつもの服装で形のいい足を組み替えます(笑)

こういったお楽しみも小説版ならではですね。

キャラクターの心情の深掘りができる小説はやはりいいですね。

2巻までの発売と、続きが出なかったことが心残りですが、今度は別の小説でデルタのキャラクターが活躍することを楽しみにしています。

それでは。