みなさん、こんにちは。
今回は、マクロスシリーズ最大の謎、プロトカルチャーについてです。
プロトカルチャーの名前は、「超時空要塞マクロス」から最新作「マクロスΔ」まで登場します。
マクロスの世界でプロトカルチャーは、銀河で最初に文化を持った生命体であり、遺伝子工学に優れていて地球人の祖先にも影響を与えたとされています。
ファースト・コンタクト
プロトカルチャーが初めて登場するのは、「超時空要塞マクロス」第11話「ファースト・コンタクト」です。
敵対するゼントラーディの捕虜となった一条輝と早瀬未沙らは、500万隻の艦隊を擁する基幹艦隊に連れて行かれ、総司令ボドルザーの尋問を受けます。

文化を知らないボドルザーは、輝と未沙のキスを目の当たりにして「プロトカルチャー!」と驚愕し、激しく動揺します。
自らもキスに衝撃を受けたことを不思議に思ったボドルザーは、ブリタイ・クリダニクやエキセドル・フォルモらを前に語り始めます。
「プロトカルチャーとは、我々の遠い祖先のことだ。」
その頃のゼントラーディは、マイクローンと同じ大きさで男と女が一緒に暮らし、文化というものを持っていたと語ります。
そして、プロトカルチャーと接触した艦隊はいつの間にか闘う力を失い滅ぼされてしまうとも。
しかしそれが何故かまではわかっていません。
ゼントラーディとプロトカルチャーの関係が少しわかるのが、第31話「サタン・ドール」です。
エキセドルの研究によりゼントラーディは、50万年前にプロトカルチャーによって戦闘用に造られた種族だということがわかりました。
勢力が2分したプロトカルチャーがそれぞれ遺伝子工学を駆使して巨人兵を作り、文化を持たせずに戦わせた結果、長い戦いの中でひ弱なプロトカルチャーは滅んでいったとわかります。
そして、地球人とゼントラーディ人がほとんど同じ遺伝子や血液を持つのは、プロトカルチャーは地球人の祖先にもなんらかの影響を与えたからだとされます。
遺跡のナゾ
次に、プロトカルチャーについて語られるのは、「マクロス7」です。
※「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」は、2031年に公開された映画で、男と女の対立という設定なので、ここでは外します。
第37話「宇宙遺跡のナゾ?」にて惑星ラクスに現れた遺跡は、プロトカルチャーのものであることがわかります。
調査に向かったエキセドルは、壁面に綴られたプロトカルチャー文字を読みます。
そこにはプロトカルチャーの歴史が書かれていました。
プロトカルチャーは、宇宙に存在する数多の生命体の中で初めて文化を持った種族として自らを「プロトカルチャー」と呼びました。

初めは地球人と同じように狩猟や農耕から始まり、鉄器を開発したプロトカルチャーは、領土が2つのエリアに別れていったとされています。やがて宇宙へ進出した2つの勢力の間に争いが起こり、全宇宙規模に拡大します。

プロトカルチャーは、自らの手を汚さずに相手を倒すべく、互いに巨大な戦闘用兵士ゼントラーディを造ります。
兵器は次第にエスカレートしゼントラーディ兵士よりも強力なエビルシリーズを生み出しますが、それがプロトデビルンとなり、プロトカルチャーは滅びの道を歩み始めます。
地球人の監視装置
長く続く戦いに辟易したプロトカルチャーもいたらしく、それが宇宙の各惑星に影響を及ぼしました。
プロトカルチャー達は、原住生物の遺伝子を操作して人類を作り出しました。
地球人類が急速に進化したのは異星人のためだと提唱したのが「マクロスゼロ」に登場するハスフォード博士の「人類プロトカルチャー干渉仮説」です。
博士は何故「プロトカルチャー」という名前を知っていたのか?
それはマヤン島の「鳥の人」の伝承を調査した際に、どこかで見つけていたということでしょう。

しかし、プロトカルチャーは遺伝子操作をした人類をただ作りっぱなしにはしませんでした。
人類の監視者としてマヤン島に「風の導き手」という「巫女の一族」を置き、争いが宇宙に拡大しそうになった場合に人類を滅ぼすことができるよう「鳥の人」と呼ばれる監視装置を残していったのです。

巫女の一族が、プロトカルチャーの末裔なのか、遺伝子操作をされた者なのかは分かりません。
ただ、ヒロインの一人マオ・ノームの血液型が鳥の人と一致したことからも後者なのかなと思います。

バジュラを神格化
マヤン島の事件以後、プロトカルチャーの研究者となったマオ・ノームらにより、プロトカルチャーがバジュラと接触していたことが「マクロスF」第25話「アナタノオト」で明かされます。

バジュラクイーンと融合したグレイス・オコナーは、「プロトカルチャーすらその力を畏れ、憧れ遂には神格化してその姿を模した超時空生命体バジュラ」と称しています。
プロトカルチャーが地球に残していった鳥の人は、バジュラクイーンを模したものであることがわかりました。
ブリージンガル球状星団
プロトカルチャーは、「マクロスΔ」にて再び大きく取り上げられます。
まず舞台であるブリージンガル球状星団が、ゼントラーディとの戦いでプロトカルチャーが最後に逃げのびた場所とされています。
プロトカルチャーと一括りにしてしまうと同時期に感じてしまうかもしれませんが、何万年も繁栄した種族ですので同じ種族でも時代が違います。
「愛•おぼえていますか」で地球に到来したプロトカルチャーは前期プロトカルチャーといえるもので、ある程度平和な時代で「愛・おぼえていますか」もありふれたラブソングでした。
そこから何百年か数万年のちにゼントラーディによってブリージンガル球状星団まで追い込まれていったのは後期プロトカルチャーとなります。
ブリージンガル球状星団は銀河本体からゼントラーディの攻撃を受けにくいだけ離れていて、かつ遠すぎない距離であったこと、かつ次元断層に囲まれていたことから、後期プロトカルチャーはこの地を対ゼントラーディとの決戦の地としたようです。
設定ではブリージンガル球状星団の周りではプロトカルチャーとゼントラーディの激しい戦いの残骸が多数残されており、惑星ラグナにもたくさんの戦艦の残骸がある予定だったそうです。
プロトカルチャーは、星団内の各惑星の原住生物に影響を与えるとともに、後にプロトカルチャーの遺跡とされるシステムを築きました。
このシステムが実際にどのように使われたかは明らかにされていませんが、現在のスーパーコンピュータのように、攻撃にも防衛にも使われるし情報伝達装置にも使える多用途的なものであったとされます。
ウィンダミア宰相であり神官であるロイド・ブレームがプロトカルチャーの末裔と言っているウィンダミア人が優れた能力を持っているのは、プロトカルチャーが人類の究極の姿をめざしたものか、対ゼントラーディ用の兵器としてなのかはわかっていません。30年といった寿命の短さは、能力が高い故のリミッターとして設定されたとも、ルンも一斉に制御するための装置とも言われています。
ハインツ・ネーリッヒ・ウィンダミアの「風の歌い手」や美雲・ギンヌメールの「星の歌い手」は、プロトカルチャーシステムを使用するための起動装置と安全装置として作られています。2人の存在が揃うことによってシステム本来の力を発揮します。

このあたりは、双葉社さんの「グレートメカニックG 2016AUTUMN」に詳しく掲載されています。
今でもプロトカルチャーは存在するか?
プロトカルチャーは本当に絶滅したのか?今もどこかにいるのではないか?
これはマクロスシリーズが続く限り課題となるでしょう。
現在、プロトカルチャーの生き残りかもとされているのはPS3用ゲーム「マクロス30」に登場するミーナ・フォルテだけです。

今後、マクロスシリーズにどのようにプロトカルチャーを絡めてくるか。また、新たな設定が加わってくるのか楽しみなところです。
それでは。