マクロスシリーズ

【マクロス漫画】オリジナルクリエーターが描くマクロス【ザ・ファースト】

みなさん、こんにちは。

今回は、超時空要塞マクロスのキャラクターデザインをされた美樹本晴彦さんによるリブート作品「超時空要塞マクロス THE FIRST」をご紹介します。

「超時空要塞マクロス THE FIRST」(以下、ファースト)は、角川書店から2009年1月に刊行された雑誌「マクロスエース」に目玉作品として連載開始された作品です。

「マクロスエース」は2010年から季刊化、全8巻が刊行されました。

その後は月刊誌の「ニュータイプエース」に掲載されています。

2009年11月にはコミックス化されました。

冒頭からリン・ミンメイのアルバムから始まります。TV版のラストに対比するかのようなオープニングのカラーページは1994年のお宮参りらしき写真から始まり、「2012年、彼女は宇宙へ旅だったー」と綴られます。

つまりこの作品もマクロス特有の「後に描かれた物語」という立ち位置となります。

物語は、マクロス進宙式典当日から始まります。

スタートはまさにTV版のスタートと同じ。ロイ・フォッカーが展示飛行に参加し、早瀬未沙が司会をするなど若干の立ち位置の変更はあるもののほぼそのままです。

物語が進むにつれて、アニメでは描ききれなかったような場面の追加やエピソードが含まれるようになり、面白くなっていきます。

輝、ミンメイ、未沙のキャラクターが、TV版よりも設定の年齢に近い(幼い)感じで描かれていています。また、各キャラクターも服装や髪型が登場ごとに変化していきます。輝でさえも普段着がファッション雑誌に出てくるような服になり、現代らしさを感じさせます。

マクロス放映当時のアニメーションは、登場人物の服装が決まっていることが当たり前だったのですが、マクロスの場合は、服を着替えないのはおかしいということで、ミンメイに至っては毎回服装も髪型も変わるというアニメーター泣かせを行っていました。今ではそこもマクロスの良さだと思っています、

キャラクターの性格も、輝はよりイジイジとしたはっきりしない性格に、ミンメイはTV版に寄せて「男の子にとっては可愛いけどはた迷惑な女の子(美樹本談)」、未沙は優秀だけど「ちょっと融通の利かない青臭さ(同)」というように美樹本さんの解釈で少し変わっています。私は現実っぽくていいと思います。

面白いのはブリッジ3人娘で、セリフを今風に置き換えれば「あまり変える必要がない」と語られています。

でも漫画を読むと結構デフォルメされて面白いキャラになってますけどね。特にシャミーが(笑)

エピソードでも、本来マクロスが構想されていた時のアイデアが出てきており、ミンメイがチャイナ服でブリッジに出前に来ます(笑)それを後ろから見つめるグローバル艦長(大笑)

また、ミンメイが、南アタリア島にくる前の学生時代が描かれており興味深いです。「超時空要塞マクロス Flash Back 2012」でミンメイが見つめていたマクロスのポスターも出てきます。

ファーストでは、バルキリーもコミックバージョンで描かれています。特に輝が搭乗するVF-1Jは、河森正治さん自身が「一番気に入ってない」からとアレンジがはいりました。

カラーリングは、漫画スタッフの競合試作(コンペティション)によって決定しました。

現在、ファーストはミンメイのバースデーパーティのエピソード後、2008年12月に遡り現在VF-1SとSV-51との壮絶な闘いの最中であり、マクロスに向けて反統合同盟の巨大爆弾が投下されたところで終わっています。

ファーストは、美樹本先生も描くに当たって「今さら」という感覚もあり相当悩まれたそうです。しかし、マクロスFがマクロスネタを取り込みつつも新しいファンに歓迎されたことがきっかけになって執筆の決心をなさったそうです。しかも新たに仕上げにパソコンを導入するといったチャレンジも行っています。(本当にマクロスのクリエーター陣はチャレンジが好きですねー)

新たな視点で描かれたマクロスということですが、私のような最初のマクロスから見てきたファンも大変面白く感じました。美樹本先生、続きを是非お願いします(必死)

未沙推しの自分にはたまらないオマケ。(マクロスエースVol.006から)

では、最後にファーストのイラストを使用し、2010年にハセガワさんから発売された「VF-1A バルキリー“ミンメイ 2009 スペシャル”」のプラモデルを載せておきます。

それでは。